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「殺されてしまった」遺族の無念 東京女子医大 医師6人書類送検
6年前、2歳の男の子が死亡した医療事故で、東京女子医大病院の医師6人が書類送検された。
ずさんな治療に、わが子が殺されてしまった。
家族が悲痛な思いを口にした。
体中に管を入れられ、昏睡(こんすい)状態にある男の子。
当時2歳の孝祐ちゃん。
孝祐ちゃん(当時2歳)「エイエイオー!」
孝祐ちゃんの父親「がんばろうね」
元気を振り絞って手術に臨んだ、孝祐ちゃん。
しかし、この動画の撮影から5日後、短すぎる生涯を終えた。
原因は、鎮静剤の大量投与とされている。
2014年2月に東京女子医大病院で起きたこの医療事故で、警視庁は21日、孝祐ちゃんに、鎮静剤「プロポフォール」を投与した末に死亡させた業務上過失致死の疑いで、当時、集中治療室にいた医師6人を書類送検した。
孝祐ちゃんの母親は、今も「こんなずさんな治療を続けていたら、亡くなって当たり前だったんだろうなと。わたしからしたらもう殺されてしまった。意図的に殺されてしまったと思ってしまうところもあります」と考えている。
なぜ、このような取り返しのつかない事態となってしまったのか。
2014年2月、1人息子だった孝祐ちゃんは、首にできた良性のリンパ管腫を治療するため、東京女子医大病院で手術を受けることになった。
ところが、手術後の集中治療室で両親が見たのは、体中に管を張りめぐらされたわが子の姿。
この時、孝祐ちゃんに対し使用された鎮静剤が、プロポフォールだった。
人工呼吸器を着け、集中治療が行われている子どもには、原則、プロポフォールの使用が禁止されている。
しかし、法的な拘束力はなく、医師の裁量に任されているのが現実。
その後、孝祐ちゃんへの投与について、病院側から驚くべき事実が明かされた。
孝祐ちゃんの父親(2014年3月)「この子に対して、マックスいくつまで(プロポフォールを)使えるんですか?」
麻酔の責任者「(1時間あたり)40mgです」
孝祐ちゃんの父親「40mgのところ、140mg使ったんですか?」
麻酔の責任者「はい…結果的に使っておりました」
孝祐ちゃんの父親「本当にもうあれなんですね」
成人の許容量およそ2.7倍にあたる、140mgが投与されていたという。
東京女子医大病院では、孝祐ちゃんが亡くなるまでのおよそ5年間に、14歳以下の子ども63人にプロポフォールを投与。
うち12人が死亡していた。
孝祐ちゃんの母親「1人ひとりのお子さんの命に対して向き合ってきていれば、孝祐以外にも、たくさんの救える命があったんじゃないかなと強く思っています」
警視庁は当時、集中治療室にいた医師6人がプロポフォールを投与したあと、孝祐ちゃんの容体が急変したにもかかわらず適切な処置を取らず、薬の投与を続け、死亡させた疑いが強まったと判断。
21日の書類送検に踏み切った。
(2020/10/21)
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